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藤 暢輔; 大島 真澄; 村上 幸弘*; 木村 敦; 小泉 光生; 古高 和禎; 初川 雄一
no journal, ,
日本原子力研究開発機構の研究3号炉中性子ガイドホールC-2ラインに多重線を用いた即発線装置を開発しており、核データ測定及びその応用研究として多重即発線分析(MPGA)を行っている。本発表ではおもにMPGAに関する研究開発について報告する。従来法であるPGAが1台の即発線検出器を用いるのに対し、MPGAでは2台以上の線検出器を用いて2本以上の同時に放出される即発線を検出する。これにより、他元素の影響を受け難い、元素の同定が容易になる等のメリットが得られる。MPGAにおいても、シグナル/ノイズ比(S/N比)が検出限界を向上させるために最も重要である。これまではバックラウンドを減らすことによりS/N比を改善してきた。さらにS/Nを改善するためには、シグナルの強度を上げることが有効である。そのため、中性子強度の増強を行った。スーパーミラーを用いた中性子導管や中性子ベンダー等の改良により、中性子強度が約9.3倍となった。また、スクリーニング分析において有用な補正法開発についても報告する。
片山 淳; 石森 健一郎; 亀尾 裕; 鈴木 崇史; 松崎 浩之*; 木村 健一*; 金野 正晴*; 天野 光; 中島 幹雄
no journal, ,
ヨウ素-129を加速器質量分析装置で分析するために、従来のヨウ化銀沈殿生成によらない方法として銀及び銀メッキによる新規吸着剤に直接ヨウ素分子を吸着させてターゲットを調製する手法を新たに開発した。本法によれば、10.2mgのヨウ素からヨウ素-127/-129同位体比を測定することが可能である。標準物質から作成した検量線と照射済標準岩石(花崗岩)中のヨウ素-129の定量結果、及び実試料分析における問題点を検討する。
佐々木 祐二; 北辻 章浩; 木村 貴海; 大橋 弘三郎*
no journal, ,
使用済みのウラン燃料中に存在する長半減期の放射性元素であるTcを分離回収し核変換することが検討されている。これまでに抽出剤としてキサントゲン酸やフェナントロリン等のイオウ,窒素を含む配位子が報告されたが、これらは分離プロセスに利用する無極性溶媒中での利用に向かない。そこで、ソフトドナーを含む新たな配位子、2,2-メチルイミノビス-ジオクチルアセトアミド(MIDOA)を合成し、Tcの抽出剤としての利用を検討した。MIDOAを用いTcの溶媒抽出を行った結果、0.1M MIDOA/-ドデカン,0.1M HNOの条件で非常に高いTcの分配比を得た(1000程度)。この値は硝酸濃度の増加とともに減少するが、2M HNOの条件でも18と高く、多段抽出により定量的にTcの回収が可能である。抽出剤濃度と分配比の測定結果より、Tcは有機相中で1:1(=金属:MIDOA)の錯体を形成することを明らかにした。またMIDOAは、Cr, Mo, Pd, W, Re, Puなどの元素に高い分配比を示した。
若井田 育夫; 大場 正規; 赤岡 克昭; 宮部 昌文; 丸山 庸一郎; 仁木 秀明*
no journal, ,
レーザーブレークダウン発光分光法とレーザーアブレーション共鳴分光法とを組合せて固体核燃料物質に適用することにより、従来必要であった化学操作を経ることなく、不純物や同位体比を直接、非接触で迅速に分析する手法の開発を行っている。研究開発の概要を紹介するとともに、最近の成果として、レーザーブレークダウン発光分光については、発光分光の基本特性と核燃料物質を摸擬したガドリニウム母材中の不純物発光の定量的な同定・評価法を、アブレーション共鳴分光法については、高分解能観測条件とガドリニウム偶同位体の識別について報告する。
下条 晃司郎; 中津留 可乃; 三田村 久吉; 長縄 弘親; 塚原 聡*; 藤原 照文*
no journal, ,
現在、環境汚染・資源枯渇問題が深刻化しており、産業廃棄物の処理及び有用物質の再資源化が望まれている。そこで本研究では廃水中から有価金属である金イオンを回収し、さらに再資源化するためにナノ粒子化を検討した。その結果、抽出剤TODGAと界面活性剤AOTによる抽出剤混合ナノ分子集合体を用いて7種の金属を含む模擬工業廃水から金イオンのみを選択的に抽出分離することができた。また、抽出した金をナノ粒子とすることに成功し、その粒径は逆ミセルの大きさによらず7nm付近で安定(均一化)した。
城 昭典*; Awual, Md. R.*; 浦田 信也*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
グラフト鎖にポリビニルアミンを有する弱塩基性陰イオン交換繊維(FVA)を放射線グラフト重合法により合成し、ヒ酸と性質が似ているリン酸イオンに対する吸着挙動をバッチ法とカラム法で評価した。リン酸イオンの吸着に及ぼす妨害イオンの影響を等モルの塩化物イオンまたは硫酸イオンの存在下でバッチ法により検討した結果、pH 7付近では両陰イオンの妨害が低いことがわかった。カラム法でリン酸塩濃度を1.6mMと一定にして、通液速度を150から2000hまで変えたところ、1%破過容量(BC)は1.5から1.1mmol/gに減少した。次に、通液速度を1000hと一定にして、リン酸塩濃度を1.6から0.07mMまで変えて検討した結果、BCは1.2から0.85mmol/gへ減少した。さらに、塩化物イオンと硫酸イオンの共存する0.4mMのリン酸塩溶液を1000hで通液し、選択性に及ぼす妨害イオンの影響を評価した結果、妨害イオン濃度がリン酸イオン濃度の5倍のときでも、塩化物イオンの妨害は少なく、リン酸イオンのBCは16%減少したに過ぎなかった。一方、硫酸イオンはリン酸イオンのBCを約半分に低下させたが、FVAは塩化物イオンと硫酸イオンよりリン酸イオンに選択的であるのみならず、リン酸イオンを極めて迅速に吸着した。
大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 村上 幸弘*; 小泉 光生; 古高 和禎
no journal, ,
試料に原子炉から取り出した中性子ビームを照射し、同時に発生する即発線を測定することにより定量する即発線分析に、線同時計数測定を組合せた新たな多重即発線分析法の原理と分析装置について紹介する。